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2012.09.25
アリタポーセリンラボの日常
大物作りもだいぶ完成形に近くなってきました。
でもまだ焼いていませんね。今日は窯入れをご紹介します。
有田焼は最低2回は焼きます。
初め焼くのは素焼。約900度で焼きます。その後に下絵をつけ、釉薬をかけて本窯に入れます。この時の焼成温度は約1300度です。赤絵がある場合はこの後、絵具の色によって700度~900度の温度で焼いていきます。
このうち、今日ご紹介するのは一番初めに焼く「素焼」です。
1m程の大きさのある花瓶をどうやって窯に入れるか?
こんな風にして入れるんです。
やはり人力。
まだ焼いていない生地なのでちょっとした衝撃でも割れやすくなっています。細心の注意を払って移動させます。
そのままつかむと指先など一か所に強い力がかかる事になります。それを防ぐために腕などの大きな面で支えるために二人が手をつなぎ、より広い面で持ち上げます。
花瓶を載せようとしているのは以前このブログでも紹介した「ハマ」
この上に載せて焼く事で歪みや割れを防ぎます。
なぜ、ハマの上に載せて焼くと歪みや割れを防げるのか??と思われる方もいらっしゃると思います。
それは上に載っている生地と同じ素材で作ることで焼く時の収縮率が同じになるからです。
収縮率の違う物の上に載せて焼くとどうしてもひっぱられたりして歪みや割れの原因になります。(接地面が小さい場合はあまり気にしなくてもいいのですが・・・・)
微調整しながら載せます。
この時は3本焼きました。
915度で18時間焼きます。
普通、小さなものばかりだと15時間焼くそうです。
今回は最高で915度で焼くようにしていたそうです。この細かな温度設定や時間なども職人さんの経験からくるもの。大きさだけではなく気温や湿度なども考慮されています。
焼き上がった後に色をつけます。
青くしたいから青い絵具を塗っているわけではありません。
これは「割れ」がないかを調べるために塗ってあります。割れていたり、ヒビが入っているとそこだけ絵具がたまって濃くなるので分かります。
今回は全ての花瓶が無事でした!!
実は、1本目の花瓶を焼く時、工場長が窯にお神酒とお塩をお供えされて、工場のみんなでお参りをしました。
職人さんができるのは窯に入れるまで。
窯に入ってしまうとあとは火の神様にお願いするしかありません。
(もちろん、温度のコントロールなどは行えますが、焼いている最中に窯の中を見ることはできませんし、停電にでもなったら窯も止まってしまいます。)
最後の最後は神頼み。人事を尽くして天命を待つ!です。
一先ず、大物制作はここまで!
この後の絵付け、釉薬かけ、本窯入れなどの作業はまだまだ続くのですが、この後の作業はしばらくしてからご紹介することになると思います。
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現代のライフスタイルに合わせたラグジュアリーモダンな有田焼です。
熟練職人が弥左ヱ門窯ならではの門外不出の技術を活かし、数え切れない試作を繰り返し進化した釉薬・技術を使い、
一つ一つ手仕事で、モダンな有田焼を作りだしています。