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2010.12.05
アリタポーセリンラボの日常
遅ればせながら、ニューヨークの紀伊國屋書店で、10月22日から11月7日まで行われた「麗しの明治伊万里展」についての報告です。
15日間におよぶ会期中、総計1093名の来場者がありました。一日平均70名を超える老若男女さまざまな観覧者です。前夜祭には在NYメディアや在NY大使館や国際交流基金の代表の方々など名士もお見えになり、初日にはNY総領事の西宮大使夫妻も熱心にご高覧くださいました。ご来場者の皆様、ほんとにありがとうございました!
来場者の内訳は日系人がほぼ7割、その他が3割。みなさん「ワンダフル!」「ビューティフル!」の連発だけでなく、「どのくらいの時間がかかるか?」「職人の数は何名か?」など手描きに関する具体的な質問も頂きました。在NY50年を超える日系女性からは、母に持たされた有田焼はみな壊れてしまい、これを見ると懐かしく思い出して涙が溢れるとも。ささやかな展示会とはいえ、来場者の皆様と少しでも和みの時間を共有できたことはなによりでした。
展示会の会場は秋も深まるNY六番街、ミッドタウンのシンボルとなっているブライアンパークの真ん前にあるNY紀伊國屋書店。畳10畳分もあるショーウインドーは、展示会に合わせて、禅や料理などアメリカのひとたちが興味を持つ日本文化に関する書籍がレイアウトされ、和製の陶磁器を紹介する本とともに、大きな和紙のメインタイトル「麗しの明治伊万里 Meiji Imari Renaissance」を掲げ、その前に明治伊万里の大鉢と投入、2点の大物を置きました。街ゆくひとたちも、全体が「和モード」に変わったショーウインドーを立ち止まって眺めます。
準備を終えた22日の夕刻から、現地メディアを中心に、宣伝をお願いする会を目的としたささやかなレセプション=前夜祭を行いました。参加者はメディア関係者、紀伊國屋書店のご招待客、会場の設営にご尽力いただいた皆様など40名ほどです。協賛会社の宗政酒造さんが特別提供してくださった「純米酒 明治伊万里 弥左ヱ門」と「麦焼酎 明治伊万里 べんじゃら」を、NYの日本酒ブームを演出する名バーテンダー・GEN YAMAMOTOさんのアレンジで皆さんに愉しんでいただきました。
100点に及ぶすべて手描きの「明治伊万里」を目前にして、その繊細で精緻な筆致に、みなさま素直に驚かれます。耳慣れない「明治伊万里」についての説明 を求められるたびに、有田・伊万里焼の最高峰の技術伝承を目的に、銘品復刻とリデザインによる現代に通用する「明治伊万里」を目指していることを伝えまし た。日本の伝統工芸の現場の想いが少しでも伝わってくれていたらと、願うばかりです。
海外での初めての「明治伊万里」の展示会でしたが、確かな手応えがありました。会場の提供と共催を快諾くださった米国紀伊國屋書店さま、荷物の輸送に万全を期してくださった紀伊國屋書店海外本部の皆さま、会期中さまざまな協力を惜しまれなかったNY紀伊国屋書店のみなさま、また素敵な会場を設営してくださった建築家の大寺さん・和紙アーティストの小平さん、そして展示会に協賛いただいた宗政酒造さま、山下工芸さま、エム・テックさまに改めて深く感謝します。ありがとうございました。
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